墓参りの負担を減らすサービスが広がっている。遠隔地にある墓地の掃除代行にとどまらず、掃除が必要ない、駅から徒歩3分というビル内の霊園も登場した。屋外作業が負担になる高齢者や、都心に住む人たちを中心に利用者が増えている。墓参にかかわるビジネスが多様化してきた。
「交通の便が良く遺族に来てもらいやすい」「定期的に訪れる必要がなく遺族に迷惑をかけない」―。墓石販売のジョウコウ(東京・千代田区、高瀬秀樹社長)が8月、横浜市に開いたビル型の屋内霊園「白楽メモリアルプラザ光明館」が好評だ。開業1ヶ月で140件の成約を取り付けた。
同霊園は駅から歩いて3分。遺骨は普段は厨子(ずし)に保管されている。遺族らが訪れると、自動搬送システムにより、間仕切りのある専用窓口に個人の厨子が墓石に納まった形で現れる。花や線香はその場で購入できる。掃除は不要だ。
好評なのは墓までの距離が短く、墓の維持に手間がかからないからだ。申し込みは60代以上の高齢者が多い。死後も墓参する遺族へ配慮しているという。価格は一基68万円(永代供養料など含む)。近隣の墓地の永代供養料は1m2当り50万円~100万円程度。同社は今後も同様の施設を出店する計画だ。