納骨堂
近年日本の世相は、核家族の増加に伴い、用地の不足、無縁となってしまう墓の存在等の諸問題が増加して参りました。この合葬式墓地はそれらの諸問題を解決するべく、習志野市により東京湾に面する海浜霊園の一画に新たに設けられました。
習志野海浜霊園は、1400体分の納骨壇を収容できる納骨室、納骨後20年を経た遺骨を移す地下合葬室を設け、不特定多数の遺骨を納める公共施設であるので、宗教色や故人を讃えるようなモニュメンタル性を排除し、ただ純粋な祈りの場となるよう配慮いたしました。
遺族が手を合わせる対象として据えられた球体モニュメントを抱くように、そして遺族に両腕を差し伸べるように配された曲面を描く屏風状の人造大理石は、納骨室に淡く抽象化された光と共に祈りをも透過するよう設計されております。